水道管でつくる手作り水鉄砲「塩ビ管水鉄砲」をつくるためには必要な材料を解説します。
- 塩ビ管（塩ビパイプ）
- 塩ビ継手（つぎて）
- Ｏ（オー）リング
- 水道用シールテープ
- 塩ビ管専用接着剤
- シリコンスプレー
普段水道の工事でもしていなければ、聞きなれないモノばかりだと思います。
ですが、これらはすべてホームセンターで購入することができるものです。
このページでは各材料がどんなものかということを少し詳しく解説したいと思います。
目次
塩ビ管（塩ビパイプ）
塩ビ管（塩ビパイプ）とは、水道管に使う塩化ビニール製のパイプのことです。
塩ビ管は、ホームセンターで安価に購入できます。
比較的柔らかい素材のため切断などの加工も容易です。
柔らかいといっても水道管に使われるものですので、おもちゃ用のプラスチック素材とは比較にならないくらい強度や耐久性があります。
一般的に10年程度の耐久性があるといわれています。
塩ビ管（塩ビパイプ）には、いくつかの種類があります。
水鉄砲に使用するのは“VP”という種類です。
| 種類 | 用途 | 説明 |
| VP | 水道・給水用 | 水圧がかかる上水に使用 |
| VU | 下水・排水用 | 水圧がかからない下水に使用 |
| HIVP | 水道・給水用 | VPの耐衝撃性を向上（寒冷地や耐震性） |
| HT | 給湯・高温排水用 | VPの耐熱性を向上 |
ホームセンターでは「VP管ください！」と言えば売り場に案内してくれるはずです。
なお、“VU”という種類は厚みが薄く、口径が大きいので水鉄砲づくりには使いません。また、HIVPやHTはVPと色以外の外観やサイズはほぼ同じですが、VPよりも値段が高いので購入する理由がありません。
塩ビ管（塩ビパイプ）には様々なサイズ（太さ）があります。
サイズ（太さ）はそのパイプの内径（内側の直径）で表示されます。
例えば、内径が２５ｍｍのＶＰ管の場合は、“ＶＰ２５”などと表示されたり呼ばれることが一般的です。なお、この“２５”などの数値のことを“呼び径”ということもあります。
ホームセンターでは「塩ビパイプＶＰ２５の１ｍを一本ください」と言えば通じます。
なお、ホームセンターごとに流通している塩ビ管の製造メーカーは異なりますが、その形状や寸法、強度などがＪＩＳ規格（日本工業規格）に定められていますので、どのメーカーの塩ビ管でも内径、外径、強度は同じです。ただし、ホームセンターによって価格に差がありますので、大量に購入される場合は価格を比較されることを推奨いたします。
塩ビ管（パイプ）は、木工用ののこぎりで切断することもができますが、塩ビパイプ切断用の“塩ビカッター”という工具を使うときれいに、簡単に、安全に切断することができます。
塩ビ管は、通常１ｍ、２ｍ、４ｍの単位で販売されていますので、水鉄砲制作時には、のこぎりか塩ビカッターで切断する必要があります。
４ｍで購入するのが、最も長さあたりの価格が安く設定されていますので、ホームセンターで購入する際は塩ビカッターを持って行くとその場で切断して持ち帰れます。※木材と異なり塩ビ管はホームセンターではカットしてくれません。
塩ビ管用継手（つぎて）
継手（つぎて）は、塩ビ管と塩ビ管を接続するための部品です。
使用する場所によりいろいろな形状のものがあり、水道管が90度曲がる場所に使う「エルボ」や異なる口径のパイプを接続する「異径ソケット（径違いソケット）」などがあります。
また、水道の行き止まりに使用する「キャップ」という部品も継手（つぎて）に分類されます。
継手（つぎて）は様々な種類があります。
継手（つぎて）を呼ぶときは
パイプの“呼び径” ＋ 継手（つぎて）の種類
で呼ばれます。
例えばこうです。
ＶＰ１３ エルボ
これは、内径１３ミリのパイプである“ＶＰ１３”に接続するための“エルボ”という継手（つぎて）という意味です。
なお“ＴＳエルボ １３”などと言うこともありますがこれはVP13パイプ用の継手という意味です。
また、二つの異なった太さのパイプを接続する“異形ソケット”という継手（つぎて）の場合は、“ＶＰ２５ー１６異形ソケット”などと表示されます。
継手（つぎて）も塩ビ管と同じで複数の製造メーカーが製造し、ホームセンターに流通しています。
メーカーが異なっていても基本的には互換性があり同じように使えます。
ただし、これは水道工事に使う場合です。水鉄砲の制作に使う場合はやや注意すべき点があります。
継手（つぎて）の内径は同一であることが保証されているのですが、外側の形状はメーカーによって異なります。
そのため、水鉄砲に差し込むような部品、具体的にはＶＰ１３のキャップという継手が外径が太かったり、型番などが浮き彫りされていてＶＰ２５パイプに挿入できない場合があります。
そういった場合は、金やすりＶＰ１３キャップの表面を削る必要が出てきてしまいやや面倒です。
もし、近くの他のホームセンターで他のメーカーの継手（つぎて）が売っているのであれば、ＶＰ２５パイプに挿入できるキャップを買うべきです。
購入の前に実際にＶＰ１３キャップを、売り場にあるＶＰ２５パイプに入るかどうか試してみるといいと思います。
ホームセンターではメーカーを選択できないので、大量に作る場合は通販サイトの方が良いかもしれません。
ＶＰ１３キャップについては“東栄管機”というメーカーのものが表面に突起がなくすんなりVP25パイプに挿入できるので最適です。
Ｏ（オー）リング
Oリング（オーリング）は、水鉄砲内の水が漏れないようにするためのパッキンの役割をするゴム製の部品です。
本来は機械や水栓金具の可動部分や接続部のパッキンとして使われ、機械油や水が漏れないようにするための部品です。
ホームセンターでも水道の蛇口やシャワーヘッドなどの水栓などの内部パッキンの交換用のとして様々な太さ、内径、外径のものが販売されています。
塩ビ管水鉄砲用として購入する場合は、“水を漏らさない”というパッキンの機能から考えて、水鉄砲のシリンダーとなるパイプの内径にあった外径のOリングを選択します。
つまり、水鉄砲のシリンダーがＶＰ２５であればＯリングの外径は２５ｍｍものを選択します。
※外径が２５ｍｍ丁度のOリングは販売されていませんので外径25.6mmなど少し大きめのものになります。大きくてもゴムなので変形して挿入可能です。一方で小さいと水が漏れます。
※ちなみにＯリングの外径は、内径＋（太さ×２）です。
例：内径20.8＋（太さ2.4ｍｍ×２）＝外径25.6ｍｍ
水道用シールテープ
水道用シールテープは、接着成分がないサラサラしたテープです。本来は蛇口などの水栓金具を接続するネジの部分に巻くことで水を漏れないようにするための部材です。
塩ビ管水鉄砲では、パッキンとなるＯリングの位置を調整するために使います。
ホームセンターや通販サイトで購入することができます。
塩ビ管専用接着剤
塩ビ管と継手（つぎて）を接着するための塩ビパイプ専用の接着剤です。
塩ビどうしを溶かしてつなぎ一体とするため非常に強力で、一度接着したら外すことは基本的に不可能です。
塩ビは専用の接着剤を使わないと接着が非常に弱いため一般的なボンドや瞬間接着剤は使用しないでください。
接着が弱いと水を押し出す際に部品がはずれ、その勢いで指を部品の角にぶつけてけがをする場合があり大変危険です。
なお「塩ビ用」という表示があれば、どのメーカーの塩ビ用接着剤も性能はほとんど同じです。
ホームセンターや通販サイトで購入することができます。
シリコンスプレー
シリコンスプレーは、シリコンを使用した潤滑スプレーです。
油ではないため油が使えないような木材などを使った場所の滑りをよくするために使います。
塩ビ管水鉄砲では、シリンダーとパッキンの滑りをよくするために使います。シリコンスプレーは石鹸やシャンプーなどで代用することもできます。
ホームセンターやネット通販で購入できます。
ホームセンターと通販サイトについて
塩ビ管水鉄砲の材料は、本来は水道工事に使用するものですが、すべてホームセンターで購入することができます。
ですが、小規模のホームセンターだと一部販売されていないモノもあるかもしれません。
また、ある程度まとまった数量を調達する場合はホームセンターよりも通販サイトの方が単価が安い場合が多いです。
通販サイトは、モノタロウや配管部品.comなどのプロ用のショップが品ぞろえが豊富ですが、送料無料になるのに3,000円から5,000円ほど購入する必要があります。一方で、amazonや楽天市場などは少量から購入できますが単価が高い傾向があります。
塩ビ管水鉄砲ねっとでは、塩ビ管水鉄砲用の材料を販売しています。
パイプはカット済み、穴あけ加工済みで、Ｏリングや専用接着剤など必要なものがすべて入っているので、材料を買いまわったりする必要がありません。
工具不要で届いたらすぐに水鉄砲が組み立てられます。
ネットショップでは「材料セット」や「つくりかたテキスト（ＰＤＦ）」を販売しています！！
材料セットを使用した組み立て方法はYoutubeでも公開しております。
なお、材料の加工作業の一部は福祉作業所に発注しております。皆様のご購入により障がい者雇用が生まれますので是非ご活用下さい。
夏休みには毎年、東京府中市にて塩ビ管水鉄砲をつくるワークショップを開催しております。組立～塗装まで親子で参加できますよ♪
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